アクサダイレクト
運転席から見たインパネは、今までのどのクルマにも似ていなかった。キーを挿してスタートボタンを押すと、「Ready to Drive」の文字が立体的に浮かび上がる。円形のメーター類は、外周に出力と水素残量を青色で、バッテリー充電状況を緑色で表示し、内側の扇形の部分には、バッテリー残量を示す緑色のインジケーターがある。中心には水素の瞬間消費量を示す風船のような物体が見え、走行に合わせて風船が膨らんだり色が変わったりする。プリウスなど最近のハイブリッド車のインパネを、ずっと未来形にするとこうなる、という印象だが、随所に「遊び心」が感じられ、見ていて退屈しない。
東京・青山のホンダ本社を出て、西麻布から六本木へ。とにかく無音である。繁華街のざわめきが、室内からよく聞こえる。ハイブリッド車も停止時は無音だが、走り出すとエンジンがかかって普通のクルマになってしまう。発進はモーターらしく直線的で力強く、中速域までの加速は申し分ない。音も振動もほとんどなく、フランスの高級車にも似た「ふわふわ感」があった。
外観のデザインは、過去の東京モーターショーに出展されたモデル(FCXコンセプト)から比べると、おとなしいカタチになった。フロントは昨秋発表された新型オデッセイとよく似ている。クラリティのボディは専用設計というから、オデッセイの方がマネしたともいえそうだが、少し損をしてしまった感はある。クラリティを購入する企業ユーザーは、その環境への取り組みをアピールしたいという動機で購入するのだろうから、外見のアピール度が弱まったのはマイナスだろう。とはいえ、サイドやリアのビューは十分に美しく、オデッセイよりもずっと未来的だ。
室内は広々として、明るい色で統一された内装とともに開放感に満ちている。広いウインドウは見通しがよく、都心の混雑した道路や首都高で実に運転しやすい。全長4845ミリ、全幅1845ミリはオデッセイよりそれぞれ45ミリ大きいのだが、むしろ一回り小さいクルマを操縦している感覚をおぼえる。さすがに高速域の伸びは今ひとつだが、力不足を感じることはない。
考えてみれば、
アクサダイレクト
全長×全幅×全高:4,845×1,845×1,470mm、車両重量:1,630kg、定員:4名、トランク容量:457L(サブトランク含む)、動力:燃料電池(固体高分子膜型)、最高出力:100kW(136ps)、最大トルク:256Nm(26.1kgm)、最高速度:160km/h、航続距離:620km(10・15モード走行)、駆動方式:前輪駆動、タイヤ:215/60R16、燃料:圧縮水素ガス(35MPa=350気圧)、タンク容量:171L、リース販売価格:80万円/月