【ニューヨーク=丸石伸一】米政府に巨額の追加支援を求めた米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの2社に対するアナリストや投資家らの評価が芳しくない。発表から一夜明けた18日も、 アクサダイレクト「追加支援を得ても破綻(はたん)リスクはなお高い」と厳しいリポートが出て、株安が止まらなかった。
18日のニューヨーク株式市場で、GMの株価の終値は前日比6%安の2.06ドルとまた値下がりした。再建計画が発表される直前に取引を終えた17日には13%も下落。米政府による総額134億ドル(約1兆2500億円)の「つなぎ融資」が決まった昨年12月以降、一時は持ち直していた株価が、今月に入って再び下落基調を強めている。政府の救済と引き換えに株主責任などが求められている影響もあるが、破綻懸念がくすぶるなど投資家の不安が根強いからだ。
GMとクライスラーは17日、計約5万人の追加削減を柱とする新たな経営再建計画を発表すると同時に、実施済みの融資総額174億ドル(約1兆6千億円)を上回る規模の追加融資計216億ドル(約2兆円)を求めた。アクサダイレクト新車販売市場が一段と落ち込んだためだ。
これに対して、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)アナリストのロバート・シュルツ氏は「仮に追加融資を受けられたとしても、今年から来年にかけて両社が破綻するリスクは高いままだ」と指摘する。「自動車需要の動向は非常に不透明で、先行きリスクは多い」と、政府が支え続けられなくなる恐れもあるとみる。
発表されたリストラ策も、まだ全米自動車労組(UAW)などとの交渉が完全に決着しておらず、両社は3月末をめどに最終調整を進める方針だ。米政府はこうした交渉の進展をみながら、再建計画が十分かどうかを見極め、融資を続けるかどうか決める見通しだ。
政府が追加融資に応じるかどうかについては、米アナリストらの間でも見方が分かれている。「政府はいったん両社を倒産させないと判断した以上、追加融資にある程度応じるはずだ」との声がある一方、「政府はまだ全面的な支援を約束したわけではない」と支援打ち切りの可能性を指摘する声も出ている。